別にに秘密にしたいわけじゃない




でもが悲しむのはわかっているから




好きになった奴の涙は見たくない




だからズルズルと引き摺ってきた




















でももうそろそろ言わなきゃ駄目だよな、高杉。





























SECOND





























「なァ、今日帰りどっか寄ってかねぇ?」




「えー?いいよ!ラーメン食べ行きたい!」




「もっとお前女の子なんだから可愛いもの言えよ。甘いものとか・・・ということでガ●トで決定な」




「それ銀時が食べたいだけじゃん!」





















進路の話から一週間後





はまだ進路の紙を出してないみたいで、


今朝担任から明日までだと注意を受けていた
















「おい高杉、お前も来いよな」



「あぁ、わかってる」

















俺達の横に座って雑誌を読んでいる高杉の顔を覗きこむと、思いきり睨まれた


よくこんなんで長い間つるんで来れたもんだ






そんな嫌味を言うものの、やっぱりこの三人で過ごすのがとても居心地が良かった







































これからは、違う道を歩む事になっても







いつかはまたこの三人で馬鹿やりたいと思う
























































***************


























































「ぇ・・・今なんて・・・」




「だから、俺は東京に。高杉はアメリカに行くんだよ、高校卒業したら」






















カランカラン、と冷たい音を響かせながらはスプーンを落とした


そんな姿に俺は俯き、高杉は目を逸らす

















「なっ、なんで?冗談やめてよ・・・」




「冗談じゃねぇよ、俺は東京の大学に、高杉は留学するんだよ」




「そんなこと今まで言わなかったじゃんっ!なんで言ってくれないの!?」




「おい、もっと声のボリューム落とせ、周りに迷惑だろ」




「うるさいなぁっ!なんでよ晋助!なんで言ってくれなかったの!?なんで海外行っちゃうの!?」




















は落ちたスプーンも拾わずに俺達に向かって喚いた


手は拳を握っていて怒りでか悲しみでかわからないが震えていた


薄っすら目には涙が溜まり始める














、お前俺の将来の夢知ってんだろ」




「ぃっ、医者でしょ・・・?」




「あぁ、その勉強をするために、俺は留学するんだよ」




「なんでっ・・・、地方だっていいじゃんよ・・・」



















は震える声でそういうと俯いた


ポツポツと水滴が落ちるのが見える







































、俺達はいつまでも一緒にはいられねぇんだよ、それぞれの、人生がある」









































高杉はそう言うとポケットから煙草を取り出し一本口に銜えた


未成年なんだからもう少し場所考えろっつーの


















「高杉此処禁煙席だぞ、煙草しまえ」



「・・・・ちっ」













高杉も焦っているんだろう、の予想通りの反応を前にして、どう言葉を紡げばいいかがわからない


どんな言葉を言っても、結局はは傷付く


俺達はもう進路を変えようとは思っていないから








流石に高杉も禁煙席なのに煙草を出すなんてヘマは普段しない


高杉は舌打ちをしてから口に銜えた煙草を元に戻し箱をポケットにしまった













































、もう俺達は進路を変える気はねぇよ。だから、も自分の好きな道を行け」





「ぁ、あたしの好きだった道には・・・っ、銀時も晋助もっ、いたんだよぉっ!」





























ガタンと音を立てては立ち上がった


表情は悲しみと怒りを含んでいて、見ていて切なくなった














































「二人なんか、だいきらい」













































はそう呟くと自分の鞄を荒々しく掴んで店を出て行ってしまった
































ッ・・・!」




「銀時、今アイツに何言っても無駄だ」




「・・・・・っ」





































カランカランと、店のドアに付いている鈴が鳴り響いた