見てしまった、
あなたが私ではない女の人を抱いている光景を
その女の人は遊郭にいるような綺麗な人で
障子越しにいる私に気付いていた
少し開いた障子の隙間からその光景を見る私と目が合うと、
その女の人はニンマリと妖艶な笑みを見せた
私は途轍もない敗北感を感じて、そのまま何もせずその場を後にした
憎悪が
芽生える前に
(ねえ、トシ・・・別れよ)
(ッ!?;おい、何言ってやがんだお前・・・)
(いいじゃん、トシには代わりいっぱいいるんだから)
(・・・・・・お前・・・、この前の見てたのか?あれは仕事で・・・)
(そんな言い訳どうでもいいの。これ以上トシを憎みたくない。)